誰も知らない

hifie2004-09-02

新宿テアトルタイムズスクエア。開演30分前で170番だった。平日で1000円デーの翌日なのに。おそるべし。しかも中央の席はいっぱいでやや右よりで、ここの劇場の急勾配を考慮して後ろのほうの席にする。まあ観やすかったんだけど、横に座ってた人がエンドロールの最中に、その隣のおばさん2人にキレてた。劇中からいらついてたんだけど。私にはよくわかんなかったけど。
気を取り直して。ともかくこの映画は、つらいね。希望なし。間違っても観終わって楽しい気分になれる映画じゃない。そんな暗い映画なのにカンヌのおかげで客は入ってる。
最初はYOUと柳楽くんの演技がうそくさいというか、わざとっぽいというか、ともかく、すごく違和感を感じた。YOUはまあ逆にこんなんがリアルっぽいのかなと思ってるうちにとっとと消えてしまった。て、柳楽くんのほうは主役だし見てるうちにだんだん慣れてきた。写真のようにむすっとした表情が8割なんだけど、残りの2割で子供っぽい笑ったようすや野球を楽しんでる表情があって、そういうのに逆にどきっとする。その一方、残りの3人の子供は柳楽くん以上に(感情が)見られなかった。それは脚本的な部分で。主人公の明はゲーセン行ったり、ゲーム買って友達連れ込んだり、野球やったりするのに残りの子らは外を出られず、弱っていくのみ。それがかわいそうに思えた。
展開が進むにつれてどんどん希望がなくなっていって、まさかこのままつらいまま終わるんじゃないだろうなと思ってったら、ほんとにそのままだった。これはいい映画というよりショックでなんともいえない。他人に率先してオススメできないよね。ただ、音楽(の少なさ)やカメラの撮り方(一部分を印象的に映すとか)や間合い(妙にゆっくり)は(たぶんこの監督の)独特のものがあって、それはおもしろい。

他の人の日記をみてると、いろいろ見方というか伏線があるらしくてなるほどと思った。私は個人的な思いもあるんだけど、YOUがいなくなってから皆の髪の毛が伸びたのが印象にあった。茂(小さいほうの男の子)なんかはお母さんに切ってもらったときには、前髪が短すぎることを気にしてたのにいつの間にかロン毛になってる。ゆき(小さいほうの女の子)も最初はかわいくおさげにしてたのに、最後は伸びてた。自分たちでは切らなかったんだね。