オールド・ボーイ

hifie2004-12-14

シネ・リーブル池袋。レイトショー1200円。こないだここの映画館に来たときにこっちはけっこう混んでので、今日は1時間ほど前に行って、しっかり若い番号の整理券をゲット。
おそらく映画館で韓国語の映画を観たのは初めてで、なんかまだ慣れない感じでした。ヤクザみたいなのと乱闘したり、展開がこてこてと思ったら急によくわからない行動をしたりと、韓国映画に十分入っていけなかったです。そういうのはたくさん観たら、「韓国映画の見方」がわかるようになるのかもしれない。
この映画自体は、監禁の犯人があっさりわかってしまうのがあんまりおもしろくなかった。それは他のところでも話題になっている、「SAW」を先に観てしまったからかもしれない。犯人がわかった瞬間、じゃあこいつを殺せばいいじゃん、と思ってしまったのである。「監禁の理由を知りたくないのか」と聞かれても「いや、それよりおまえがむかつくから」と私の心のなかでは答えてた。あと最後のオチも、なんとなく薄々感ずいていたので、ほとんど驚きはなかった。
この映画のテーマが「他人からすればどうでも良いことでも本人にとっては忘れられないことがある」というものだったとしても、私には伝わりにくかった。例えば、高校時代の回想シーンでも姉の自殺のところだけでなく、その前後に起こったであろう、主人公への憎しみのようすを入れて欲しかった。そしてそれをどのように復讐しようかと計画たてたり、葛藤したりするところとか。そのへんの犯人の感情をもう少し厚く描いてくれないと、観客の反応は得にくいだろう。または、主人公がもっともっと善人で家族思いで幸せ絶頂だったほうが、監禁/復讐後のギャップが大きくてよかったと思う。今までの人生で行った悪行は全くないはずなのに、なにげない一言が恨みを買っていた、だとより犯人の残忍性、執拗性が現れたと思う。
結局のところ、私としては最終的に犯人が自殺し、2人がまた出会う「オールド・ボーイ」よりも、犯人が勝ち逃げしてしまった「SAW」のほうが意外で後味が悪く、おもしろかった。