ロミオとジュリエット

hifie2004-12-26

日生劇場。一年をしめくくる、とってもよい舞台だったと思う。主演の藤原竜也鈴木杏がすっごい若く情熱的に演じてて、役者魂を感じた。特にロミオはあの3階建てのステージをかけ登ったり、飛び降りたりで体力的にかなり大変そうにもかかわらず、感情を上手に表していて感心した。あんまりに熱演っぷりで恋愛まっしぐらでバカップルぶりで、観てるこちらが恥ずかしいというか、それを通り越して笑けてきます。「おおロミオ…」とか「幸せだー」とか。
セリフは確かに叙情的かつ早口なんだけど、走れメルスほど意味がわけわかんなくもなくて素直に聞けた。ロミオの父役の人は喉を痛めてる風で声がかすれてたけど、あとは皆よく声がでていたと思う。あと、マキューシオが独特のキャラで異才を放っていた。夢の出来事を語る見せ場のシーンが見ごたえあった。
背景のセットにはモノクロの人の顔の写真がずらーっと並ぶ。「愛に死んでいった若者たちの遺影」らしい。パンフ買ってないから意味はわからないけど。それらは時に城壁になったり、ジュリエットや教会の壁紙になったり、お墓の洞窟の岩になったり、気がつくと気にならなくなっていた。それより、衣装や一部のセリフと合わせて、この劇を中世に置き去りにはしないで現代に持ってきたというような感じがでていた。こうした全てが蜷川幸雄演出かと思うと、また他の作品も観たくなる。