キレイ 神様と待ち合わせした女

hifie2005-07-23

シアターコクーンでマチネを観劇。大人計画初見の前回「イケニエの人」がビミョーだったのだけど、今回は期待高。だけど酒井若菜降板でがっくし。でも、前から3列目の絶好のポジション。声も聞き取りやすいし、聞きづらい発声のときでも役者の口の動きもわかるくらい近い席。
ひとこと。鈴木蘭々がよかった。よかった。よかった。正直、彼女以上にケガレを演じられる人はいないんじゃないかと思うくらい、はまっていた。地下室での過去の重暗さと、地上にでてからのあっけらかんさ・ひたむきさ、そして歌声。からだいっぱいで表現してた。「あひゃ」もかわいかった。そう、本人が「キレイ」系ではなく、「ボーイッシュかわいい」系だからこその、どん底からはいあがる力強さと可愛さの両立があった。
あとの人は、みんな上手かった。けれどメインな人々より、つい、猫背椿とか荒川良々とか宮崎吐夢とか村杉蝉之介とか大人計画の人々に目がいってしまう。こういう人たちの「自分の持ち場で適切なかたちで表現する」能力はすごいなぁ。

始まったあとで改めてミュージカルだと気づく。歌の部分は人がわーっとでてきて、距離の近さもあって迫力がある。みんな特に歌がうまいとは思わなかったけど。
そして、2幕中に地震!グラグラと音がしたから、はじめは何かの前触れを表現しているのかと思ったら、ほんとに揺れてた。上からも細かい粉がちょっとだけ堕ちるし。動きの少ないシーンだったのが幸いしたけど、ハリコナはセリフかみまくって、動揺。ダイズ丸が「宇宙の話をしよう」と流れを戻し、ミサがハリコナに話を振るところからリスタート。役者さんも観ている側もどきどき。いいシーンで余震が来たら、とびくびく。
それでもラスト、蘭々が歌い上げた時にはすっかり入り込んでた。変に小細工してごまかしたり意表をつくことなく、主役の歌と「ありがとうございました」のお辞儀で終わるのはとってもよかった。
例によって何にも買わなかったんだけど、欲しいかも。
パンフレット、台本、初演のDVDと台本、Tシャツ、そして千秋楽のチケット。