ザ・コーポレーション

アップリンクX。渋谷文化村の右側の道をまっすぐ行ったところにある。アップリンク・ファクトリーみたいにフラットな部屋にいろんなイスが置いてあるスタイル。ゆったりした椅子を選んだけど、上映時間が長いせいもあって、ちょっと体が痛疲れしてしまった。
現代における企業というものの、悪行を告発した映画というのかな。チョムスキーマイケル・ムーアや企業の経営者やキーパーソンの短いインタビューを交えたドキュメンタリー。ひどくまっとうに、これでもかと、企業のやってきたこと、性質を暴いていく。
ナチスIBMが加担した話はショックを受けたけど、それは企業の本質を考えれば、今日でも将来においても十二分にありえること。当時の時代風景を考えてもとりたてて責任を追及しても、という気持ちと、とはいえ犯罪の加担は犯罪だ、という気持ちと。
このあたりから話が企業の社会的責任(CSR)に。やっぱり企業に自発的に期待するのは根本的に無理なのかなという感想をもつような映画のつくり。
あと、(ある途上国の水道事業の例をだして)民営化を批判してた。(公営では)損をしても社会に利点があれば許される、ってセリフを言ってた人もいた。うーん、企業がだめだからって政府に期待するのも。もっと悪い気が。「政府には選挙によって参加する権利があるが、企業にはそれがない。」なんだろう、結局どちらがより悪くないか論になってしまう。
あと、企業を押さえられない政府の背景に、(米国)政府を押さえられない国連、ってのも感じた。(アナン国連事務総長が映ってたから?)
とはいえ自分も企業勤め人でもあり、ある一定の距離感を持って観ていたのも事実。
ただ1つ、FOXの企業告発の信念の強さは心して見習わなければ。