João Gilberto THE BOSSA NOVA 〜最後の奇跡〜

東京国際フォーラム。こうしてミュージシャンのコンサートに行くのは初めて。映画帰りによく通っていた東京国際フォーラムのホールAに入るのも初めて。開演時間に始まることはないと知りつつも開場直後に入る。係員の人にわざわざ案内してもらって席に着くと、周りはがらがら。でも大きなホールだ。
7時になっても当然始まらない。席も空席だらけ。40分過ぎくらいに出発した旨のアナウンス。それでもまだいくつか空席があって心配になってくる。8時過ぎに始まる。気がつくとしっかりと席は埋まってる。
演奏はほんとうに素晴らしかった。目の前の一人とギターから奏でられる「それ」は、心地よすぎて途中うとうととしてしまった。ふだん聴いてる「うた」というものは、演者が自分を表現するためにめいっぱい大きな声を出して明るく元気に歌うものだ。でもジョアンのそれはそうでなくて。自然に自分の中から出てくる声をそのまま。それってジョアンの生き方のような気がして。で、そういうことに共感できる人が、この場にこれだけいるってことが、またよかった。
やっぱり音楽の神様がいて、それが降りて来て、人として歌ってた。ジョアン・ジルベルトに。
とっても、とっても幸せな時間だった。さいごはやっぱりみんなで立って拍手してた。