イヌの日

下北沢本多劇場長塚圭史の舞台はいくつかみたけど阿佐ヶ谷スパイダースの本公演は初めて。
中津(伊達暁)の家。母親(美保純)のベッドには五味(大堀こういち)や、中津の友人の明夫(長塚圭史)がたびたび出入りしている。その後、明夫が姿を消し、恋人の曜子(村岡希美)や宮本(八嶋智人)が探しにくる。中津の友人、広瀬(内田滋)は中津から100万で防空壕の監視を依頼される。そこには中津の同級生、菊沢(剱持たまき)や井口(中山祐一朗)、柴(松浦和香子)、洋介(玉置孝匡)が17年も幽閉されていた・・・。というおはなし。
母親がいろんな男と寝るのは、愛してる息子から嫌われる原因を作るため。中津が菊沢を閉じ込めたのは、菊沢のことが好きだから。この親子の歪んだ愛のかたちが上下に別れた舞台のテーマ。とはいえ、初演では母親役はなかったらしい。
中山祐一朗が持ち味のキャラ出した演技してる。この人は何回か観てるけどいい役者さんだ。サラリーマンNEOにも出演してたし。あと、八嶋智人の役はよく考えると深くて寂しい。家も職も失って、必死に気を配って居場所を確保しようとして、そして見つけた地下壕から抜け出せなくなってしまう。だけど、最後には他の4人とは離れてしまう…。