オセロー

hifie2007-10-16

彩の国さいたま芸術劇場。おお遠い。与野本町の駅周辺のなんもなさにびっくり。おまけに埼京線は駅のつくりがみんな一緒だし、発車メロディも音小さくて短いし(それは関係ない)。
蜷川幸雄演出のシェイクスピア戯曲。同じ組み合わせで以前に、ロミオとジュリエットみたね。オセロー将軍が若くて美しい妻と結婚するんだけど、人事に不満を持つ部下の口車に乗せられて、妻に疑心暗鬼になってしまう話。座席が正面5列目のめちゃめちゃ良い席でびっくりした。
みんな演技が重厚でシリアスな話なんだけど、その展開の無鉄砲さにどこか笑えてしまえる。イアーゴ役の高橋洋があいかわらず煽り上手。ちょっと前傾姿勢になったり、身体をしならせて咆哮したり。オセロー役も上半身裸で熱演(あれ、こないだもそんな舞台みたような…)。で、肝心の蒼井優はちょっと舞台から浮いてた気がする。特に前半はニコニコの一本調子で、笑顔は可愛いんだけど上ずってる。馬渕英俚可は意外に後半見所ありで、次回の本谷有希子の舞台に期待。
デズデモーナが純真無垢で、イアーゴがずる賢くて、イメージが両端。オセローは、最初はデズデモーナのように無心で堂々と立派だったのが、だんだんイアーゴにそそのかされて嫉妬に狂う。その変化がみどころ。最後にデズデモーナに覆い被さるところは、自分で手にかけたのに許しを乞う醜さと、将軍という肩書きを捨てた一人の男としての弱さが出ていた。