Der bestirnte Himmel über mir, und das moralische Gesetz in mir.

ドイツの哲学者カントの『実践理性批判』の巻末のことばの一節。もちろんドイツ語。
Der bestirnte Himmel über mir, und das moralische Gesetz in mir.
意味は「私の外に広がる星空、そして私の内にある道徳律」
このことばは、次のことばに続くものです。

Zwei Dinge erfüllen das Gemüt
mit immer neuer und zunehmender Bewunderung und Ehrfurcht,
je öfter und anhaltender sich das Nachdenken damit beschäftigt;
ある2つのことが私の頭の中から離れない
そのことを考えるといつでも称賛と尊敬が湧き上がり
何度も何度も長いこと考えてみればみるたびにその称賛と尊敬は大きくなっていく

つまり、カントは星空と自分の道徳心をいつでも称賛し尊敬していたわけです。
星空は、いつでも同じように規則正しく、星が動き輝いているから。
道徳心は、いつでも同じように規則正しく、カントが自分自身を律しているから。
実際、カントは生涯のほとんどを生地であるケーニヒスベルクで過ごし、毎日同じ道を同じ時刻に散歩していたそうです(そのために村人から時計代わりにされていたそうです)。
その強靭な精神力はどこからくるのでしょう。あの輝く星々と比するほど、自分を律することができるのはどうしてでしょう。
ちなみにカントは生涯独身だったそうです。