東京都写真美術館

hifie2004-09-11

今日ははじめてチャリで恵比寿まで行ってみる。地図持たなくとも行けてしまう、自分の方向感覚はすばらしい。さっそく3つの展示のセット券を買う。
まず入ったのは「PIERCING THE SKY-天を射る」坂田栄一郎。なんと本人が来ていてギャラリートークをしていた。これがしゃべりのうまい人で聴いててとっても楽しくて感動した。この人はAERAの表紙を撮っている人。タイガー・ウッズキアヌ・リーブスには2分間しか撮る時間がなかったとか、撮影の裏話もリップサービスでしゃべってくれる。まさに被写体の心を開かせるように、私たち聴衆の心もつかんでいた。「勇気」「エネルギー」といったことを非常に大事にしてるよう。そういう人に「モノクロとカラーどちらかしか許されないならどっちですか」とか「編集者とコンフリクトになったらどうしますか」なんて質問は愚問。あらかじめ答えなど決まってるはずはなく、その瞬間ごとの自分の感性と相談しながら動いていくんだ、こういう人は。トークショーが終わると私は大きくスタンディングオベーションをした。もとから立ってたんだけど。そんくらい感動した。そのあともちろん写真も鑑賞したんだけど、もう、すばらしい。表情がぐっと引き締まってて、それでいて撮り方が一人一人違ってる。なんとなく皆上目づかいやちらりと横を向いてるのが多かったように思う。目線が下にいってるのは好きじゃないのかな。表情が暗くなるからかな。
地下に降りて「東京オリンピック40年記念報道写真展」。TVなしの私は初めてアテネオリンピックの写真を見ましたよ。谷亮子は決勝戦は青柔道着だったのね。そんなことも知らん私だからオリンピック自体には興味ないんだけど、ただ、「1つの場所に世界中の人々が集まる」ってことがすごいと思う。写真をみていてワールドカップの時を思い出した。スポーツだけじゃなくて他のことでもオリンピックみたいに世界中の人が集まる「お祭り」はできないのかな。まあ映画祭とか国際〜展とかあるか。一般の人々がわざわざ行くようなのはスポーツだけなのかなあ。
そんで、写真美術館内のカフェ「シャンブル・クレール」に入る。おなかがへってたので「スモークサーモンのオープンサンド」を食べる。おいしいなあ。なんかとっても贅沢なしあわせ。ちなみに隣の映画館「実験劇場」の前では「雲−息子への手紙」の初日のため、ぴあの帽子を被った調査員を見た。これが2回目だけど、こういうバイトやってみたかったな。
最後はウィリアム・クライン「PARIS+KLEIN」展。なんか私は個人的にイメージでパリってあんま好きじゃない。少なくともロンドンの方がいいな。「華やかなおフランス」って感じが苦手なのね。でもしばらくぼーっといたら視界から人がいなくなって、展示全体をみられるようになった。映画のフィルムのように黒のバックに一列に並ぶ写真。そうした空間は印象的だった。どうでもいいけど、見ていたのは2人組ばっかだった。
で、またまた2階の坂田栄一郎の展示をみる。閉館10分前になるとこっちもさすがに人が少なくって、たくさんの写真を一気に見られるようになる。壁沿いでない写真はみんな上から吊るされていて浮いている。ドリカムの吉田美和の表情もすごく素敵だったし、一番印象的なのはマニュエル・ルグリかな。キャプションがなくてもバレエ・ダンサーだってわかる。鍛えられた肉体が下についていることを想像できる首をひねって真っ直ぐな視線を投げかける。というのもあればほんとに穏やかな表情をしたダライ・ラマカストロ議長とか。ともかくこの展示は本当によかった。もう1回行ってもいい。