SSF世界スポーツフォトコンテスト

hifie2004-10-30

東京都写真美術館B1F。入口にはアテネオリンピックの写真が展示。女子マラソンのラストの競技場内の写真は圧巻だ。その場の観客+テレビの向こうの全世界の人々の視線を浴びながら走る気持ちはどんなだろう。後ろにランナーが見えてるから必死だったに違いないけど。
さて、スポーツ写真はなんといっても速いシャッタースピードとズームが命。つまりそれって写真の持つ「時間と空間の切り取り」という性質をとことん追求したものなのだ。そして今回の写真を見て、その中の創造性と想像性を強く感じました。だってシンクロで水しぶきがぱあっと上がった瞬間は人間にはほとんど認識できないものだし、重量挙げ?をしているときの顔の表情「だけ」を6人分も同時に見ることもできない。我々が見えない世界を見せてくれるもの、それがスポーツ写真なのだ。
また、野球やサッカーの写真が少なくて、意外にサイクリングの写真が目についた。大賞の写真もメット被ってたからおそらく自転車選手だよね。自転車って画になるのかしら。「スポーツ」にもいろんなのがあるんだなと感心。よく考えれば、野球なんかアメリカと東アジア以外ではマイナースポーツだもんね。他にも障害者のボウリングや子供のサッカー、老人の何かなど、「スポーツ=若くて健康で元気な人がやること」というイメージを外したものがあったのはよかったと思う。
あとね、展示室の一角で写真をプロジェクタで順番に流してた。最初は静止画の写真を強制的に連続で見せることに抵抗を感じた。それとスポーツフォトはあるけれど、スポーツムービーはあるのかしらと思ったりした。ワールドカップ名試合集、名ゴール集みたいなのはあるけれど、そうじゃなくて、この写真展示のようにもうちょっと普遍的に?誰でも感動できるように?編集したもの。まあ、でも座ってるだけでいろいろ見れて、なにげなく見過ごしてた写真を見ることができたので、それはそれでよいのかも。
で、私的には、フェイエノールトのユニフォームを着てスタジアムで中指をたてて怒ってる5歳位の男の子の写真がおかしかった。50年後にもパブでサッカー中継見ながら、同じ服着て同じしぐさで同じ感情を持つだろうことが想像できた。