走れメルス 少女の唇からはダイナマイト!

シアターコクーンNODA・MAP第10回公演。なんか昔にやったものの再演らしいですね。もちろん私はそんなの知りませんよ。ただ、ところどころセリフが昔のままで「いやだこの人平凡と明星一緒にしてるの。」「ママ、それ、何のこと?」と突っ込まれたりしてるのはわかった。
事前の評判どおりで、初めて書き書きしたアンケートにも書いたんだけど、やっぱりセリフが長くて情報量が多くて聞こえにくかったところがある。だから珍しくパンフレットに加えて戯曲の本も買った。でも、そもそも、「セリフがはっきり聞こえたらわかる」というものでもないと思う。
古田新太野田秀樹は観客を笑いで沸かしてたけど、あまりにおかしすぎて、他の場面での置いてけぼり感とギャップがありすぎる気がした。二人はたぶんサービス精神が旺盛だから、笑いがとれるところではとことんとってやろうとしているのだろうけど。あと、着物姿の深津絵里とウェディングドレスの小西真奈美がやっぱりすんごくかわいくて、それだけでなく演技も声色を大きく変えたりがんばってた。それを観てるだけでしあわせになってた。男2人はわかんね。
パンフにも書いてあるんだけど、私は「赤鬼」を観た後なので、「向う岸」ということばがすごく印象に残りました。鏡の向うとか海の向うとか「人は見渡せる何かが欲しい*1」っていうのが野田秀樹の中にはずっとあるのかな。「向う岸」には希望があって、それを追い求めるけれども、残ったのは絶望、でもそこから生きていくみたいな。
ともかく戯曲を読んでみて、時に声をだしてみて、そしてまた機会があったら観にいきたいです。

*1:「赤鬼」で「over」という単語を説明するときのセリフ