なにわバタフライ

渋谷パルコ劇場。当日券の席は中央列の上手の端っこの補助席。見切れることはほとんどなかったのでよかった。開場前のアナウンスを三谷幸喜がしていた。彼のマジメな天然ボケに見せかけた計算ぶりがいつもながら可笑しい。こういうキャラは個人的にも狙いたいものです。
これは戸田恵子の一人舞台。とはいってもパーカッションを演奏する2人が舞台の上にいる。でも、ずーっと出ずっぱりで、着替えたり照明を使ったりして、舞台を、時間と空間を、つくっていた。
この舞台を観て初めて役者の力量ってどんなことなのかを感じた。私が思うにそれは、いろいろな感情を正直に表現できること。いわゆる「日常」って、一日のなかで喜んだり怒ったり悲しんだり楽しんだりするのってあんまりないと思う。やっぱり平坦な道を歩いてて、時々上り坂や下り坂があるようなもん。でも、舞台じゃそうはいかない。2〜3時間という限られた時間に多くの出来事を凝縮させなくちゃならない。その中では普段はありえないようなテンポで自分の感情、テンションを変えていかなくちゃならない。それをスムーズに、お客さんに不自然だと思われないように自然に演じられるというのがうまい役者さんなんだろうと思う。
この舞台の戸田恵子は、いわゆる「アンパンマン」の声で子供の頃を語ったり、「おばはん」臭い関西弁で楽屋に戻ったり、男に裏切られ続けた女の人生を熱演している。
で、最終的に一番印象に残ってるのは、そんな戸田恵子の「HR」の宇部さんばりのかわいさ。
あ、「かわいい」で思い出したけど、劇場で西田尚美似のかわいい美人さんを見つけた。開演前にスタッフと話してたし、帰りもスタッフ用っぽい出口に消えてったし、本人のような気がするんだけど。去年、このパルコ劇場で「鈍獣」に出演してるし。