博士の愛した数式

hifie2006-05-06

飯田橋ギンレイホール。はじめて。名画座で2本立て。でも時間も興味もなかったのでこちらだけ。開演1分前にかけこんだら立ち見。ほんとに一席も空いてなかった。土曜とはいえ客の多さにびっくり。年齢層は高め。10500円で1年間観放題なのでそのためだろうか。
1回1500円として7本観けばもとがとれる。1日に2本みれば、年4日でいい。過去の上演作品100本のうち、20本ほどは観てる。だけど、他館で上映中の観たい作品がここでも上映されるかはわかんないからなぁ。
もちろん今日はこないだ原作の小説を読み終えたので観に来た。寺尾聰深津絵里の2人はイメージとそう違ってなく、キャラクタをうまく演じていた。かわいいよ、ふかっちゃん、かわいいよ。数学の先生となった√を演じた吉岡秀隆もすごくよかった。ルートの授業と交えて話を展開させるのはよかった。(こういう映画、テレビでは得てして)素直で反応がよい学生の反応は多少興がさめるが、ほぼ声のみの出演なのでまだよい。
しかしながら、しかしながら、どうしても、どうしても。原作と比べたストーリー展開には首をかしげてしまった。第一、博士は野球をみたことすらないのに、大学まで野球をしてたことになってる。外出も嫌がってたひきこもりなのに、少年野球のコーチなんかしてる。限られた時間のなかに納めないといけないから、エピソードも削ったりまとめたりしてる。そのせいで人物の想いが薄まってしまったきがする。完全数「28」の発見も唐突だし、ルートの怪我の際のセリフの意味も伝わってこない。そのわりに薪能がでてきたのは驚いた。なんだ。その前に部屋の壁に能の面が飾ってあったのが気になってたが。
ルートがしゃべるという展開上しかたないのだが、家政婦の心情がほとんど見えてこないようだった。読んでるから脳内補完されてるものの、未読の人にはどう映ったのだろうか。深津絵里がきれいで美しいだけにごまかされそうである。