夏の庭
湯本香樹実著。夏らしいお話。小学6年生の男子3人が1人の老人と出会って成長していく。
この本では、そこかしこに詩的な表現がでてくる。たとえば
ものが腐るのは、ひとつの変化にすぎない。肉が煮えていい匂いになるのも変化なら、お酒が醗酵して甘い匂いになるのも、食べ物が腐ってしまうのも変化なのに、ぼくはそれを『いい匂い』と感じたり、『いやなにおい』と感じたりする。変化にも『いい変化』と『悪い変化』があるんだろう。ぼくの手足がやたらひょろひょろ伸びるのは、きっと『悪い変化』だ。(p51)
わざとらしいけど思春期の心のうちを表している。そして、私の好きな池澤夏樹に似ている。
- 作者: 湯本香樹実
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/03/01
- メディア: 文庫
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