虹の女神

hifie2006-11-05

池袋テアトルダイヤ。
大学生の岸田(市原隼人)は元カノ(鈴木亜美)に近づくため、彼女のバイト先の同僚であり、同じ大学に通っているあおい(上野樹里)に近づく。大学の映画研究会で監督をしているあおいは、自主制作映画の役者に岸田を引きずり込む。そこでも岸田は別の女優役の女子に恋し、あおいにラブレターを書かせる。卒業後、バイト暮らしをしていた岸田は映像制作会社に就職していたあおいから職の斡旋をうける。代わりにアメリカへ飛び立ったあおい。下っ端としてきつい仕事を続ける岸田のものにあおいの訃報が伝えられる…。
これも主演女優が死んじゃうよ。「天使の卵」も「ただ、君を愛してる」もそう。似たようなモチーフが流行ってますね。いまいち素直になれない男の子と、一途だったのに死んじゃう女の子。一昔前の韓流映画ブームの追いかけ?
この映画は岩井俊二プロデューサーと熊澤尚人監督ってのがポイント。「花とアリス」と「ニライカナイからの手紙」の監督ですよ。蒼井優もでてるし(これまたいい役)。上野樹里蒼井優のペアは「亀は意外と速く泳ぐ」だね。
市原隼人は「天使の卵」よりよかったよ。力はいってなくって。こんくらいなら観ていられる。でも映画制作の下っ端って大変だね。かなり先輩からしごかれるきつい仕事に演出されてたけど、実際に生半可なものじゃなく、そうなんだろうな。カメラとかフィルムのくだりもそうだけど、特に岸田の仕事っぷりに、映画人としてのプライドが感じられた。
上野樹里は、宮崎あおいに比べて全然かわいくない。笑顔も多くないし、ふつーな顔してる。でも、却ってそれが、自分の本心を伝えられないそれが、せつなくていとおしいね。自分の好きなことに一生懸命で、好きな子とは一緒にいたい普通の女の子。卒業後は映画を続けず企業に入ろうとしてたのに、岸田から励まされたから映像制作会社に入ったんだよね。
映像は光線がきらきらしてて、「らしい」画が撮れてる。たぶんこれが学生時代の青春時代のきらきらなんだろうな。まぶしくてあったかくてあかるくて。でも、結構、予告編の出来が良すぎた気がする。いいところをみんな凝縮してしまってたと思うよ。
一番強く印象に残ったのは、出会い系パーティーの帰り道のところかな。誰からも(岸田からも)告白されず惨めな思いをしたあおい。なのに、岸田は冗談で抱きしめて「女を感じない」と言った後に「結婚してみようか」と口走る。泣きながら「私の一生をどうしてくれるんだ」「このあと一生誰からもプロポーズされなかったら…」と叫ぶあおい。せつない。と、共に、気をつけないとと思った。こういうセリフは絶対に女の子に冗談で言ったらいけないんだな。
忘れてた。あおいが最期に持ってた携帯はV801SAvodafonevgs携帯。だから、アメリカ行ってても日本にいる岸田からの電話やメールがつながるんだね。