明日へのチケット

hifie2006-11-23

シネ・アミューズ。ローマ行きの国際列車を舞台に、3人の監督がそれぞれ異なる乗客を主人公にする。「世界の車窓の内側から」といった感じで、車内のどたばたと車窓の風景を描く。
はじめの作品は、薬学者の老いた男が列車の手配をしてくれた女に抱くほのかな"妄想"と、食堂車のドアの向こうで立ちっぱなしの女と赤子への思い。それがよく伝わってくる。その理由をうまく表せないんだけど、すごくよく伝わってくる。
2つめの作品では、横暴なおばさんと付き添いの青年。面白いことに、このおばさん以外はでてくる女の人がみんな美人だった。
最後の作品がセルティックファンの話です。スコットランドグラスゴーからローマまでチャンピオンズリーグの試合を見に来るためにやってきたスーパーの店員3人組。「セルティックファンは世界一」「ラーション最高」と歌いだし、3人の旅行資金をイタリア製靴に変えてしまうお馬鹿さんたち。最初の作品にも出てきた移民の家族の少年(マンチェスターユナイテッドベッカムのユニホームを着てる)にチケットを盗まれ、彼らの事情を知り悩む。でも、結局ローマの駅で駅員から逃げて、ローマサポーターに妨害してもらって逃げ切る。
最後のローマサポーターが応援歌を歌ってるシーンをみて、ヨーロッパのサッカー熱ってすごいなというか、かっこいい憧れというか、「らしい」と思った。やっぱケン・ローチ監督はいい。隣の劇場でやってた「麦の穂をゆらす風」も観ようかな。立ち見がでるほどの人気だったけど。