ツォツィ

TOHOシネマズ六本木ヒルズ。シネマイレージカードに6ポイント貯まったから無料。前売券なくレイトショーもやってない作品を観るという、とても賢い使い方。
舞台は南アフリカツォツィは、恐喝や強盗をして金を奪って暮らしてる。あるとき盗んだ車の中に赤ちゃんを発見する。
まずすぐに気がついたのは空の色。屋内や夜のシーンも多いけど、空が出てきても青空でなく赤茶けている。まるでモノクロ映画のような、フィルタがかった色がスラムの重苦しさを表している。それと対照的なのが、スーツを着た裕福な人を見つけた駅や赤ん坊を奪われた夫婦の家。近代的で清潔でカラフル。
それとカメラの撮り方が凝っていると感じた。構図の切り取り方が写真のように決まっていたり、電車から降りる人を撮る時におもいっきりローアングルにしたり。音楽もよくて、そういう全般的なセンスがシティ・オブ・ゴッド的でわくわくした。
撮るといえば、赤ちゃんは普通にかわいいし、未亡人の女性もすごく魅力的に撮れてる。だからこそそこに希望があるのだと思う。
一方でツォツィには共感できなささを感じつづける。赤ちゃんを手にしてすぐに心を入れ替えるのかと思ったら、また強盗をやったり友人を撃ったり。でも哺乳瓶を持って帰ったり、殴った友人に謝ったり。でもそういう揺れ動きが若者の感情だったり、この国の生活環境なのかもしれない。