アヒルと鴨のコインロッカー

恵比寿ガーデンシネマ。原作・伊坂幸太郎の映画化。原作者は絶賛してたけど、どうなんでしょう。
現在と2年前がパラレルに進んでいった小説に比べ、現在+ときどき2年前の回想→2年前だからねー。その構成に由来する面白さ(現在のある章の終わりに椎名が考えたのと同じようなことを、次の2年前の章の終わりに琴美が考えるとか。)が失われちゃって。
どうりで駆け足かと思ったら、そっから2年前が始まるわけで。うーん。一度読んでるから衝撃はないんけど、映画が先の人はどうなんだろう。よくわかったのかな。謎解き感が足りない気がする。
そしてキャストが…。関めぐみ松田龍平もよかった。瑛太も英語が流暢に聞こえたのですごいと思う。問題は主役級?の椎名。なんか、ミスターちんに見えてしょうがなかった。最初っから上滑りしてる気がしたし(ディランを歌ってる時の揺れかたとか)。まあ、「物語に途中参加」してる感をそういうキャラで出したかったのかもしれないけど。
小説は、伏線とその回収部が、文章で間が空くからいいけど、映画だと一連の流れの中に入っちゃうから難しい。しかたないから伏線なしに見せちゃったり、たとえ伏線を作っても「そのまんま」って気がする。
映画化で唯一よかったのは、ボブ・ディランの曲が聴けたこと。これだけはどうやっても小説じゃ無理。