幸せ最高ありがとうマジで!

hifie2008-11-08

PARCO劇場本谷有希子作演出。永作博美出演。
新聞販売店に愛人と名乗る女がやってくる。やがて女の言うことは嘘であり、実は住み込みの女・山里が愛人であることがわかる。
女は山里に「自分のように明るいメンヘラになれ」とけしかけ、一家をめちゃくちゃにしようとする。
何の関係もない家族にひどい仕打ちを行う理由も、自身が病んでいるのにも理由はないという。女は「可愛く」「金があり」「頭も良く」、「無差別テロ」であり「モンスター」と名乗る。
これは、不可解な事件が起こるたびにその原因を知ろうとする社会への皮肉。他人の身になったつもりでも、決して理解することはできないと。
「遭難、」のときは「トラウマ」という言葉を使って説明しようとしていたが、今回はそれも笑い飛ばす。逆に病院を恐れる。それは診断されて、病名がついて説明がついてしまうのを恐れるから。
結局、自分が分類され、共感されるのが嫌な自意識の塊。みんなから誕生日を祝ってもらってちやほやさせると嬉しい。
こんなものを作ってしまうのは変人。それでも何作か見ているとモチーフは常に一緒のように思える。
それでも、どこか自分の身を振り返ってしまうから不思議。
それから、寛容であり、また、謝ることを許さない非寛容な母親。思うがままバカに行動する姿に、一種の同情を感じさせる父親。女性は考え過ぎで、男性は考えなさ過ぎかも。
詳しくは書けないけど、「家族」についても独特の見方がある。