世界の中心で、愛をさけぶ

hifie2005-02-11

三軒茶屋シネマ。「いま、会いにゆきます」との2本立てです。去年の純愛映画の2作品を同時に観られるという、すごい組み合わせ。そのせいか、結構お客さんは入ってた。しかしなぜか私の両隣の席は私と同じ1人身の男。ある程度予想してたけど、この映画館は人の出入りが激しかったり、非常灯のせいでいまいち暗くなかったり、しまいには幼児が時々ぐずがるし。まあ、名画座ってそんなもんですかね。
有名人がちょこちょことでてきてておもしろかった。あ、天海祐希と思ったら、クドカンでてるし。英語教師がダンディだし。斎藤アナもいたし。
それより、肝心の主人公の女の子の名前がなかなか思い出せなかった。綾瀬はるかじゃないし(それはTVドラマ版)と思ってたら「長澤まさみ」ですよ、ロボコンの。彼女がよかったなあ、特に声。昔も今もラジオ聴いてるし、テープ録音してあったラジオ番組のなかで白血病の女の子(その後亡くなる)がしゃべってるのを聴いてたりしたから。
森山未來もよかった。特に大沢たかおとすっごい似てるところ。だけじゃなく、なんていうか、ちょっとした表情とか行動とかうまくこの年代の少年を演じてたと思う。
大沢たかおは舞台で見たときもそうだけど、ロングコート似合いすぎ。鼻がとんがりすぎ。そして、ちょっと精神的に弱い男を演じるのがうまいっていうか、おそらく地だよね。ただ、最後のオーストラリアで車の中で地元の人と話してる姿は深夜特急っぽかった。
柴咲コウはまああんまり見所あるキャラじゃなかったからいいとして、山崎努のじじいっぷりがいいですね。現代では死んでるかと思ったら生きてましたねー。なぜ骨が欲しいかはわかりませんが、渋くていい男です。
わからないと言えば、思い出してみるとストーリーにはわからない点がたくさんありますね。なんで律子はあのテープを見て故郷に戻ったのか。なんで朔太郎はテレビに映った律子を見て故郷に戻ったのか。それぞれ、「テープを下駄箱に返したかった」「亜紀との思い出に浸りたかった」だろうとは思うのですが、どうもしっくりきません。律子は引越準備で見つけたテープを聴いて初めて、昔小学生で届けていたときには知らなかった亜紀の症状を知って、そのテープを届けられなかったことを悲しく思うとして、急に飛行機に乗ってまで高校の下駄箱に置きに行こうと思うかな。そのあたりの動機というか想いがよくわからないよね。朔太郎もTV中継の律子の姿を見たくらいじゃ、それがテープを届けてた女の子とは結びつかないわけだし、ましてや車にひかれそうになったシーンを見ておきながら昔の彼女のことを思い出して故郷に戻るのは、ちょっと不謹慎だよね。
そういうことに目をつぶればというか、実際観てるときはそこにはあまり気をとられず、シーンシーンの画の美しさに目を奪われました。予告編とかどこかで観たことあるんだけど、最初の防波堤の上を走るシーンとか。夢島の夕日のシーンとか。どしゃぶりの現代の空とからっと晴れた過去の空の画。やっぱり空をきれいに描く映画は好きですね。それと平井堅瞳をとじて」。声質も切なくて美しいし、じっくり歌詞を聴くとたまらなくなります。この映画館ではがさがさしてて余韻を浸りにくい状況ではありましたが。