ブロークン・フラワーズ

川崎チネチッタ。GWの半ばだからかレイトショー1200円なのに客は多くなかった。手前のスタバでダブルトールモカを買って入場。やっぱダブルにしてもモカが勝って甘いぞ。
ビル・マーレイ主演。昔つきあった女との間に子供ができていたことを手紙で知り、過去の女たちに会いにいく話。ある意味、私が好きなタイプであるロードムービーの一種とも言える。だけど、どうにも煮え切らなさが残った。
彼女の現在の住所付近の地図をネットから印刷してもらって、飛行機やレンタカーではるばる訪れたわりに、核心の話(息子がいるか)も、そうでない話も積極的に聞き出さない。その代わり、会いにいくための車のシーンや飛行機、ホテルのシーンが特徴的に多く挿入されている。それってつまり、現在の女性の境遇についてはどうでもよくて、「ドンが会いにいく」というほうに意味が置かれてる気がする。車を運転しているとき、飛行機に乗ってるとき、彼はどんなことを考えてるのか。その感情を伝えたがってるように私には見受けられた。
そしてそれは私には上手く届かなかった。もちろん、自分の老いや孤独といった、当たり前の感情はわかる。そこに、ドンなりの想いなり感情なりが欲しかった。それが「ない」のがドンなのかもしれないし、監督が伝えたいことなのかもしれない。
あと、フェードアウトを多用してることについて。なんなんだろう。かなり唐突に多用してるように思った。これもドンが女を次から次へとフェードアウトさせていったことを暗示してるのだろうか。