初恋

シネカノン有楽町。ぎりぎりに行ったら一人にも関わらず端か前の席しか空いてなかった。そう、今日は1000円で観られる水曜日。
60年代を時代背景に、三億円事件の犯人が女子高生だったという仮定のはなし。
だけど、もう、なんていうか、宮崎あおい映画だった。正直いって、劇中、感情移入がしにくかった。時代的なものにも、Bに集まる連中にも、彼らに溶け込んでいるように見えなかった主人公にも。もちろんみすずは、おじおばの家に居候していることでの寂しさから逃れるために、ジャズバーに行ってたんだと思うけど、にしてはなじんでないよ。しゃべらなすぎ、からまなすぎ。
あおってるわりには三億円事件自体も扱い方がいまいち。世間的にも、みすずの心情としても事件の大きさが伝わりきれずに流れてる。
それもこれも全て宮崎あおいが芸達者すぎるからである。あんましゃべんなくても、展開がぐずってても、影のある顔つきと時折の笑顔を見せるだけで満足してしまう。まさにツンデレ
そして彼女が出てる映画は特に、観終わってからも後をひく。帰り道、東京国際フォーラムTOKIAの横を歩く。映画の登場人物のように。映画のなかの宮崎あおいの可愛さ凛々しさが目の前にあるかのように。こういう時間、こういう感覚は映画のすきなところ。