アヒルと鴨のコインロッカー

伊坂幸太郎著。こちらは今公開している映画の原作本。これ読み終わってから映画観る。
現在と二年前が並行して進む物語。当然だけど現在の物語が始まる時には、二年前の物語は終わってる。それをちょっとずつ見せる手腕がお見事。
現在の11章の終わりが「人というものは、行動すべき時に限って、おっくうがるのかもしれない。」で、二年前の11章の終わりが「人というものは、慎重にことを運ぶべき時に限って、行動を急いでしまうのかもしれない。」他にも現在の出来事の原因となる出来事が二年前に起きてる。
「僕はいかにも自分が主人公であるような気分で生きているけれど、よく考えてみれば、他人の人生のん中では脇役に過ぎない。そんなことに今さらながらに気がついた。 河崎たちの物語に、僕は途中参加しているのかもしれない。」
これを小説の登場人物であるところの椎名に語らせるのがいい。小説の中での役回りが実際そうであるし、メタ的に読者の自分自身のことにも当てはまる。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)