魔王

hifie2008-10-26

伊坂幸太郎著。いつもの伊坂作品とはちょっと違った感じ。
でも、書店にはミステリーや恋愛ものが多いので、こういう話を書ける人は貴重。
他人の喋る言葉を操れる主人公。世間では新進気鋭の政治家が注目を集めていた。
印象的なところ。前半で主人公の職場の課長が「覚悟はあるのか?」と部下に問いかける。後半では同じ台詞を総理が国民に向けて投げ掛ける。
これらは、身近な社会、あるいは、より大きな社会に向けて、人々の考えが足りないとのメッセージではないか。主人公は「考えろ考えろ」が口癖である。
一方で後半の主人公は、直感の力で進んでいく。こういうバランスも大事。

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)