読書

Presents

角田光代著。別々の女の人が主人公の短編集。最初の話は産まれる前で、だんだんと年をとっていって、最後は老女の話。 人生のいろんな節目節目に、大切な人から受け取るプレゼントが話の主役。すっごくいい。最後の話は言うまでもなく、その他の話でも目に溢…

卒業

東野圭吾著。加賀刑事の初登場で大学時代の物語。 どうにも時代的に古くて、犯人や動機やトリックもいまいちでなじめなかった。卒業 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 1989/05/08メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 110回この商品…

サービスの達人たち

野地秩嘉著。ものづくりの職人でなく、サービスを行う達人の人生を描いたノンフィクション。 描かれるのは、ロールスロイスの営業マン、天丼屋の主人、銭湯の三助、ウィスキーのブレンダー、ゲイバーのママ、電報配達人、キャバレーのホステス、興行師、靴磨…

チルドレン

伊坂幸太郎著。5つの短編集。口からでまかせのような、意外と本当のことのようなことばっかりしゃべる陣内が主人公の話。 「チルドレン」や「レトリーバー」が秀逸。やっぱりおもしろい。チルドレン (講談社文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発…

シャイロックの子供たち

池井戸潤著。銀行を舞台とした群像劇。これ読むと銀行員はいかに営業成績や出世が大事なんだなと思う。 リアルに銀行の様子を描いているけど、これで終わるのはいまいちだなと思ってたら、後半につれてストーリーがつながる展開に。こういうのはいい。シャイ…

空中庭園

角田光代著。やっぱこの人の書く本はあたり。 小泉今日子主演の映画を先に見ていて、それがよかったので外れるわけはなく。 改めて読んで、家族一人一人の秘密が描かれていて、それぞれの孤独を感じた。空中庭園 (文春文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: …

蛇を踏む

川上弘美著。本屋で見かけるような気がするのだけれど、読んだのは初めてだった。 裏表紙には「若い女性の自立と孤独を描いた」とか「現代の家庭を寓意的に描く」とか書いてあるけど、だまされた。こんなに独特のワールドとは。蛇を踏む (文春文庫)作者: 川…

月魚

三浦しをん著。古本屋の2人の話。 メインとなる「大きな事件」がいまいち伝わってこない。真志喜の父親とその一家のポジションを描く前振りと、その後の人生の変化への描写が欲しかった。 なんでそんなに気にしているんだという気がしてしまう。 それにして…

カラフル

森絵都著。死んだはずの「ぼく」が抽選に当たって、再挑戦として別人の体で過ごす話。 以前ジャンプでやってた「花さか天使テンテンくん」を思い出した。一つ前に読んだ「海の仙人」にも天使みたいなの出てきてたな。 自分だけの世界を持ってるって、思春期…

海の仙人

絲山秋子著。宝くじに当たって敦賀で隠居生活をしている男の話。 この人の文章は初めてだけど、なんか淡々としているというか、主人公に対しても距離感がある。温度が伝わらない感じ。こういう話だからかもしれないけど。海の仙人 (新潮文庫)作者: 絲山秋子…

虹色にランドスケープ

熊谷達也著。バイク乗りの話の7つの短編集なんだけど、ある話の主人公が別の話の脇役に登場し、全体的にはつながってる。 北海道で出会うたくさんのバイク。みんなそれぞれに乗る理由があって、乗る想いがあって、人生がある。道ですれ違う時のように、7人の…

さがしもの

角田光代著。本をテーマにした短編集。本好きなら心がぐっと温かくなる。 旅と恋愛が本との思い出のきっかけになってることが多い。解説でも言及してるけど、私も旅行に本を持ってく派。この本も淡路島へ持ってって、帰りの新幹線の中で読んでた。 旅の雰囲…

誰か

宮部みゆき著。人生の話。誰か―Somebody (文春文庫)作者: 宮部みゆき出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/12/06メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 33回この商品を含むブログ (154件) を見る

魔王

伊坂幸太郎著。いつもの伊坂作品とはちょっと違った感じ。 でも、書店にはミステリーや恋愛ものが多いので、こういう話を書ける人は貴重。 他人の喋る言葉を操れる主人公。世間では新進気鋭の政治家が注目を集めていた。 印象的なところ。前半で主人公の職場…

24時間365日 サーバ/インフラを支える技術

伊藤直也他著。はてなとKLabのインフラ屋さんが書いた本。[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ?スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)作者: 安井真伸,横川和哉,ひろせまさあき,伊藤直也,田中慎司,勝見祐己出…

きらきらひかる

江國香織著。アルコール中毒で精神が不安定な笑子と、潔癖症な同性愛者で医者の睦月。二人の結婚生活。 二人それぞれの目線で交互に話が描かれる。時にすれ違う思いが切ない。 表立って描かれてるのは少ないんだけど、睦月の笑子への気持ち。 僕は豆を食べな…

Googleを支える技術

西田圭介著。グーグルの検索システムとそれを支えるストレージ、分散データ処理、ファシリティ等のインフラ技術の解説。 正直、技術的なすごさを理解できはしなかったのだけど、概念の説明の仕方はわかりやすかった。アーキテクチャってこういうことだよね。…

人生ベストテン

角田光代著。 登場人物の性格が私に合ってる。 でもね、私はなんにもしてないし、なんにも持ってないの。そのことを自覚しているの。自覚して、この先も自覚していくべきだ、と思っているの。 そして、主人公が出会う相手は主人公自身の何かを映している鏡の…

絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク

小田圭二著。「絵で見てわかるOracleの仕組み」のひと。 期待して読んだけど、期待どおりにとっても良い本。ちょうど知りたいことが載ってた。 初心者向けのあいまい説明でもなく、ソースコードやコマンド、設定ファイルなどの実装ベースの難解な解読でもな…

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

本谷有希子著。長くなかったので、今日のお昼とバスの中だけで読めた。 映画みてるからその印象が残る。でもこっちのほうが毒がとげとげしいというか、はっきり明示的に描いてある。もとは戯曲だけど、いずれにせよこんなの書くなんてヘンタイだな。 でも、…

絵で見てわかるOracleの仕組み

小田圭二著。Oracleのアーキテクチャ、いろいろな処理がなぜ行われているのかを説明している本。わかりやすくて、とってもためになった。 Oracleコンサルさんに「これ読んでます」って言ったら、著者は同じ部署のすごい人だとのこと。ひゃー。 よし、これでO…

きいろいゾウ

西加奈子著。田舎ぐらしを始めたツマとムコの夫婦の話。「赤い長靴」とは全然違う夫婦や周りとのコミュニケーションのありかた。 ツマの感受性の高いようすや、ムコさんがいなくなってからの寂しさの表現が読みどころかな。きいろいゾウ (小学館文庫)作者: …

赤い長靴

江國香織著。無愛想でだらしのない夫と、そんな態度に孤独を感じつつも納得する妻の短編集。 ほんとはもっとぐさぐさしたのが読みたかったのだけど、違う意味で心を揺さぶられる。二人ともマイペースでコミュニケーションが成立してないように見えるのだけど…

嘘をもうひとつだけ

東野圭吾著。加賀刑事が犯人の嘘を見抜く話の短編集。 短編だから事件にフォーカスしてて、加賀刑事のキャラが表れてない。 だからか、やっぱり悪いことしてどんなに取り繕っても無駄だなって気がした。まじめに生きましょう。嘘をもうひとつだけ (講談社文…

君たちに明日はない

垣根涼介著。リストラ対象の社員に退職を勧める会社の男の話。サラリーマン小説っぽくて読んでみた。けど、んー、共感はしない。だって仕事はできるし、女にはもてるし、かっこいいんだもん。 ちょっと軽いな。もっと繊細でぐさぐさ心にくる話が読みたい。君…

死神の精度

伊坂幸太郎著。映画の原作本。解説を残して映画を観る前に読み終えてた。 決められた人間を一週間調査して死の可否を判断する死神。彼が出会う6人の話の短編集。前の話の登場人物が後の話にちょっとだけ出てきて、つながってる。 この著者の本のなかでは、あ…

人のセックスを笑うな

山崎ナオコーラ著。映画みる前に読み終わっちゃった。 美術学校に通う主人公が、年上の既婚の先生に恋する話。せつないんだけど、じめじめしてなくて。ユリも猪熊さんもマイペースで、こういう人達と付き合うと、心がぐらんぐらんする。人のセックスを笑うな…

1日1分レッスン!新TOEIC Test千本ノック

中村澄子著。ちょうど前のを読み終わったタイミングで本屋で発見。奥付には3月20日発行ってなってるけど。 やっぱり通勤時に読めるのがいいね。2冊分問題解くと、さすがに傾向が見えてくる。これは前置詞の意味を考える問題とか、これは品詞を聞いてる問題と…

CNNインサイド・アメリカ

TOEIC受けるので英語モード。ほんとはリーディング対策のために文章を読みたかったんだけど、通勤で持ち歩けるサイズのものはなかった。そこで見つけたのが、このCNNをテキスト化したリスニング本。 実際のCNNでの音源なので、TOEIC的なはっきり明瞭なことば…

1日1分レッスン!新TOEIC Test

中村澄子著。なにより文庫本サイズで電車内で読めるのがいい。文法問題を解いていくんだけど、分詞構文とか完全に忘れてた。他にも見事にトリックにひっかかって間違ってたり。やっぱり集中して問題文をみていくと、だんだん問題慣れしてきて、見切れるよう…